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IMPROVISATIONAL PHONATION
即興的発声
調査によって得られた様々な文脈の断片的キーワードと合わせて“役割の存在しない状態のモノ”を見つめ直し、そのモノが発する(であろう・かもしれない)コエを即興的に発する試み。
企画当初は、広く開かれた形での参加型ワークショップ形式による多様なコエの発声を計画していたが、コロナ渦の状況を鑑みて計画を変更。それぞれが言葉を用いた表現者でありながらも、その方法や領域が異なる数人のゲストに参加してもらうことで、即興性に幅と深度を持たせられないかと考えた。
また実施回数を複数にすることで、調査と即興の掛け合わせ方法についても、その実施過程で都度見直し、様々なバリエーションを実験的に試みることとした。
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即興的発声
vol.1 -
即興的発声
vol.1.5 -
即興的発声
vol.2 -
即興的発声
vol.3 -
即興的発声
vol.4
IMPROVISATIONAL PHONATION
即興的発声
vol.1
2020年9月28日(月)18:00-20:00
@ 旧小倉屋1F
赤須翔、田原唯之、稲継美保(ゲスト/俳優)、鈴木掌(進行ゲスト/画家)、渡邉裕未(運営スタッフ)
@ 旧小倉屋1F
赤須翔、田原唯之、稲継美保(ゲスト/俳優)、鈴木掌(進行ゲスト/画家)、渡邉裕未(運営スタッフ)
● 内容
調査したモノの情報をテキストとしてまとめたものを、田原から赤須及びゲストに共有。
この情報を元にして、赤須とゲストが即興的にモノのコエを発声。
以下4通りの組み合わせで実施した。
①赤須1人
②赤須+鈴木掌
③赤須+鈴木掌+楽器
④赤須+稲継美保+楽器
この情報を元にして、赤須とゲストが即興的にモノのコエを発声。
以下4通りの組み合わせで実施した。
①赤須1人
②赤須+鈴木掌
③赤須+鈴木掌+楽器
④赤須+稲継美保+楽器
● 対象としたコエのモノ
丸窓、ポチ
● フィードバック+次回に向けて
楽器を使用していたが、必要なかったかもしれないので次回は楽器なしで行いたい。
事前のモノの情報の共有だけで即興的に発声を行うのは難しかったため、何かモノの情報を確認しながら行う方法を考えたい。
※この回では田原が調査し紙にまとめたモノの情報は、事前に読み合わせる程度。また事前に断片的なキーワード化は行なっていない。
事前のモノの情報の共有だけで即興的に発声を行うのは難しかったため、何かモノの情報を確認しながら行う方法を考えたい。
※この回では田原が調査し紙にまとめたモノの情報は、事前に読み合わせる程度。また事前に断片的なキーワード化は行なっていない。
IMPROVISATIONAL PHONATION
即興的発声
vol.1.5
2020年10月14日(水)20:00-23:00
@ online – Zoom
赤須翔、田原唯之、渡邉裕未(運営スタッフ)
@ online – Zoom
赤須翔、田原唯之、渡邉裕未(運営スタッフ)
● 内容
調査したモノの情報をキーワード形式にして、それを見ながら即興的にモノのコエを発声。
即興を始める前に、行程を確認したり緊張をほぐす会話を行い少しリラックスする時間も取った。
田原がキーワードをPCの画面上にランダムに表示し、それを見ながら赤須がコエの発声を試みた。
即興を始める前に、行程を確認したり緊張をほぐす会話を行い少しリラックスする時間も取った。
田原がキーワードをPCの画面上にランダムに表示し、それを見ながら赤須がコエの発声を試みた。
● 対象としたコエのモノ
溶岩、ポチ
● アーティストコメント
ランダムに出てくるキーワードをその場で上手くつなげていくのが楽しかった。
但し、モノになった感じではなく、ひたすらつじつまを合わせていく感覚にも近い。
田原さんとモノは、目の前にはいなかったけど、リモートで行う実験は違和感なく行えた。
次回に向けて、キーワードをランダムに表示する形式を採用したい。
但し、モノになった感じではなく、ひたすらつじつまを合わせていく感覚にも近い。
田原さんとモノは、目の前にはいなかったけど、リモートで行う実験は違和感なく行えた。
次回に向けて、キーワードをランダムに表示する形式を採用したい。
● フィードバック+次回に向けて
キーワード形式にしてランダムに表示していく実験はうまくいった。
コエの出し方として、キャラクターを設定するような感じがやりやすかった。
リラックスし、気持ちが乗るまでの時間を持つことが大切。
コエの出し方として、キャラクターを設定するような感じがやりやすかった。
リラックスし、気持ちが乗るまでの時間を持つことが大切。
IMPROVISATIONAL PHONATION
即興的発声
vol.2
2020年10月21日(水)18:00-20:00
@ 旧小倉屋1F
赤須翔、田原唯之、坂本頼光(ゲスト/活弁士)、渡邉裕未(運営スタッフ)
@ 旧小倉屋1F
赤須翔、田原唯之、坂本頼光(ゲスト/活弁士)、渡邉裕未(運営スタッフ)
● 内容
モノのキーワード情報をカードにして赤須が表示し、ゲストが表示されたカードを見ながら即興的にモノのコエを発声。(即興的発声vol.1.5で試した方法の物理的なカードバージョン)
また、別の方法として、予め目の前にカードを並べておき、ゲストが自由にランダムにカードを選んでコエを発声することも試みた。
また、別の方法として、予め目の前にカードを並べておき、ゲストが自由にランダムにカードを選んでコエを発声することも試みた。
● 対象としたコエのモノ
和竿、姿見、米穀店、蚊取り線香が入っていたであろう缶、鍋?
● アーティストコメント
自分にとってカードを使った方法は良かったが、人によっては合う合わないがあるのかなと感じた。
カードの情報量が多すぎて、カード情報をそのまま話していくようになってしまうこともあり、完全なる即興で行うのも良いと思った。そこで「鍋?」に関しては、録音の直前に急遽カード無しで行ったのだが、それは上手くいったように感じた。次回はカードを使った方法が有効かどうか見極めて柔軟に行いたい。
また、自分1人で行うより、ゲストを招くとその人の個性に乗って、多種多様な視点からのコエが表現できるのが良い。
カードの情報量が多すぎて、カード情報をそのまま話していくようになってしまうこともあり、完全なる即興で行うのも良いと思った。そこで「鍋?」に関しては、録音の直前に急遽カード無しで行ったのだが、それは上手くいったように感じた。次回はカードを使った方法が有効かどうか見極めて柔軟に行いたい。
また、自分1人で行うより、ゲストを招くとその人の個性に乗って、多種多様な視点からのコエが表現できるのが良い。
● フィードバック+次回に向けて
赤須がカードを表示する方法と、予めカードを並べておく方法と2通り実験してみて、表現するゲストやアーティストによってやりやすさが違った。
両方の方法をゲストに合わせて行うのが良さそう。
両方の方法をゲストに合わせて行うのが良さそう。
IMPROVISATIONAL PHONATION
即興的発声
vol.3
2020年11月14日(土)11:30-
@ 旧小倉屋1F
赤須翔、田原唯之、大野智子(ゲスト/元ラジオパーソナリティー、アナウンサー)、渡邉裕未(運営スタッフ)
@ 旧小倉屋1F
赤須翔、田原唯之、大野智子(ゲスト/元ラジオパーソナリティー、アナウンサー)、渡邉裕未(運営スタッフ)
● 内容
モノのキーワード情報カードを見ながら即興的にモノのコエを発声。(即興的発声vol.2で試した方法)
また、アーティスト・ゲスト・スタッフとで、モノについての雑談を多く行い、その中で得られた情報を盛り込んだコエの発声も試みた。
また、アーティスト・ゲスト・スタッフとで、モノについての雑談を多く行い、その中で得られた情報を盛り込んだコエの発声も試みた。
● 対象としたコエのモノ
姿見、アワビ貝
● アーティストコメント
大野さんは憑依体質のようで想像力が豊かだったので、早い段階でカードを目の前にしての発声は止めることにした。
その分だけ、対話の中で生み出されるエピソードをたくさん盛り込んだモノのコエの発声を行った。これまでは調査した情報からキャラクターを作るような作業が中心だったが、今回はゲスト自身の過去の思い出や経験などの情報も加えた上で、モノのコエを想像しながら発声することとなった。
その分だけ、対話の中で生み出されるエピソードをたくさん盛り込んだモノのコエの発声を行った。これまでは調査した情報からキャラクターを作るような作業が中心だったが、今回はゲスト自身の過去の思い出や経験などの情報も加えた上で、モノのコエを想像しながら発声することとなった。
IMPROVISATIONAL PHONATION
即興的発声
vol.4
2020年11月17日(火)14:00-
@ 旧小倉屋1F + 旧邸稽古場
赤須翔、田原唯之、大野智子(ゲスト/元ラジオパーソナリティー、アナウンサー)、渡邉裕未(運営スタッフ)
@ 旧小倉屋1F + 旧邸稽古場
赤須翔、田原唯之、大野智子(ゲスト/元ラジオパーソナリティー、アナウンサー)、渡邉裕未(運営スタッフ)
● 内容
即興的発声vol.3で行ったように、アーティストとゲストの対話の中でモノのコエの方向性を探りつつ、そこから発声する方法を試みる。
● 対象としたコエのモノ
穴
● アーティストコメント
1回目の実験では楽器が不要だと思い2回目からは使わなかったが、ハーモニカには今回の対象のモノでもある「穴」があることから取り入れてみた。何かの拍子に発する「モノのオト」も「コエ」として捉えることが出来る。
旧小倉屋の隣の建物の工事の関係で、録音場所を移動することになったが、そのことによって限定的な場所でのモノではなく、様々な場所で出会うモノについても想像して行うことができた。
目の前にあるモノだけでなく、ゲストそれぞれの心のなかにある想像的なモノとの対峙も行えた。
ゲストとコラボレーションをした実験1では、楽器を使った音楽的アプローチが過剰かもしれないと感じたが、今回の実験では穴という共通項をもって、「ゲストの発するコエ」と「ハーモニカのオト」で対話をしたことにより、楽器をモノとするアプローチも有効なのだと感じた。
旧小倉屋の隣の建物の工事の関係で、録音場所を移動することになったが、そのことによって限定的な場所でのモノではなく、様々な場所で出会うモノについても想像して行うことができた。
目の前にあるモノだけでなく、ゲストそれぞれの心のなかにある想像的なモノとの対峙も行えた。
ゲストとコラボレーションをした実験1では、楽器を使った音楽的アプローチが過剰かもしれないと感じたが、今回の実験では穴という共通項をもって、「ゲストの発するコエ」と「ハーモニカのオト」で対話をしたことにより、楽器をモノとするアプローチも有効なのだと感じた。
● アーティストコメント
無機質なコエを哲学的にモノのコエを表現をするのは良い経験でした。
ギターがなくても成立したので、次回は楽器なしで行いたい。